コロナショックで景気も不安定な中、手っ取り早く固定費を下げられるのが電気料金です。電力会社によってお得なプランも違っているので、マッチしたものに変更するだけで何も節約せずに電気料金が安くなる可能性があります。
ただし一歩間違えれば、前より電気料金が高くなってしまうという最悪の結果になることも…。
今回はそんな失敗をしないために、安いと勘違いしやすいポイントを整理して、安い電力会社を比較する方法をお教えします。
これが電気シミュレーションの危険な落とし穴だ!
【事例①】楽天電気の電気料金が月によって変動!?
楽天電気は基本料金が0円で使用量に応じて楽天スーパーポイントが貰えると言うことが売りの電力会社です。
まずは例として楽天電気の電気シミュレーションで3月の電気を240kWh使ったとし入力してみましょう。
energy.rakuten.co.jp
すると下のように5760円と大分お安い金額のシミュレーションが出てきます。
しかし同じ240kWhで使用月を4月に変えるとどうでしょう?
同じ電気の使用量なのに月が変わっただけで電気料金が7671円と2000円近くも高くなった!!
なんじゃこれーーーーーーーー!!
その答えは下にスクロールすると出てくる「詳細を見る」をクリックすると分かります。
棒グラフの下に、1ヶ月分しか使用量を入力していないのに1年分の使用量と料金が…。
実はこの電気シミュレーションの金額は、
入力した月の電気使用量を基準として、1年分の使用量を想定し、その1年分の金額を12で割ったものなのです。
なので電気を240kWh使ったときの使用料金とは全くの別物!
240kWh使ったときのシミュレーションの使用料金はこの1年分の表の4月のところの予想電気料金を見ていくとある、6360円です。
このように1ヶ月分の電気使用量を入力しただけなのに1年分の金額が出てくるシミュレーションはよくあるのですが、電気使用量の金額とは別のものなので気をつけましょう。
【事例②】電気料金シミュレーションの方が実際の料金よりも大体安くなる!?
それでは今度はENEOSでんきのシミュレーションをやってみましょう。
www.noe.jxtg-group.co.jp
ENEOS電気も最初のシミュレーションでは事例①と同じように一月分の電気使用量を入力すると1年分の金額が出てきますが、その下に更に詳しく1年分の使用量を入力してシミュレーションできるようになっています。
そこで実際に私が使った電気使用量を1年分入力してシミュレーションした結果がこれです。
実は我が家は現在ENEOSでんきの2ねんとくとくプランに入っているので、このシミュレーションを見た上で、同じ電気料を使用した実際の料金を見てみましょう。
これがその表です。同じ月で比較してみると、1月275kWh使用した金額は
シミュレーション…6,992円
実際に支払った金額…7,469円
と、同じ電力会社なのにシミュレーションの方が実際の金額よりも500円くらい安くなりました!
どうゆうことーーーーーーーーー???
実は電気料金シミュレーションには、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金が含まれていないのです。
なので実際に払った電気料金と電気料金シミュレーションをそのまま比較すると、どんな電力会社でもシミュレーションの方が当然安くなります。
電気シミュレーションには、燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金などの+αがあるので、シミュレーションの金額よりも実際は高くなるのです。
自分で電気料金を計算して比較する方法とは?
対象となる電力会社の基本料金と使用量による電力単価を調べよう
電気料金は
- 基本料金
- 従量料金(使った分によって変動する料金)
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
で成り立っています。
比較する際は、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金などは変動しますし、どこの電力会社でも一律かかるので、除外して考えます。
それらを除外するために、まずは今入っている電力会社も含めた電力会社の基本料金と従量料金がいくらなのか調べます。
エネオスでんきは東京電力と基本料金が全く同じなので比較しやすい電力会社です。
(出典:料金メニュー|ENEOSでんき|JXTGエネルギー)
我が家は30Aなので基本料金は858.0円です。
従量料金も東京電力と比較して書いてあります。
なので東京電力とエネオスでんきとの比較なら計算するまでもなく、この表を見るだけでエネオスでんきの方が安いことが分かります。
私がENEOSでんきを選んだ理由はこのように安くなることが分かりやすかったからです。
これを元に東京電力管内の30Aの家庭の計算式を作ると、Xを電気使用量として、
(1) Xが0~120kWh
電気料金 = 858円 + 19.88円/kWh × X
(2) 電気使用量が120~300kWh
電気料金 = 858円 + 19.88円/kWh × 120kWh + 24.54円/kWh × (Xー120)
(3) 電気使用量が300kWh~
電気料金 = 858円 + 19.88円/kWh × 120kWh + 24.54円/kWh × 180kWh + 26.22円/kWh × (Xー300)
うちは「2ねんとくとくプラン」に入っているので電力使用量がこの料金よりもさらに1kWhあたり0.20円安くなります。なので
2ねんとくとくプランの割引額=0.20円/kWh × X
の金額を更に引けばいいですね。
さらに3年目からは1kWhあたり0.30円安くなりますが、途中で解約すると解約手数料が1,100円かかります。
楽天電気の基本料金は0円なので従量料金だけで計算できます。
(出典:電気料金プラン|楽天でんき|楽天エナジー)
Xを電気使用量とすると
電気料金 = 26.50円/kWh × X
計算もシンプルなので自分でシミュレーションしやすいですね。
LOOOP電気
ループ電気も楽天電気と同様基本料金0円なので計算も簡単です。楽天電気との比較なら計算するまでもなく、この従属料金を見るだけでLOOOP電気の方が安いことがわかりますね。
(出典:料金プラン | 低圧(家庭・事業所・商店)のお客さま| Looopでんき)
他の電力会社と比較するなら同様に計算します。
電気料金 = 26.40円/kWh × X
四国電気パールプラン
最後に私が今一番気になっている電力会社の四国電気です。こちらはある一定額までは電気をいくら使っても定額というプランです。
(出典:東京エリア料金プラン|東京・関西エリアのお客さまへ|四国電力)
パールプランは101kWh以上は1kWhあたり26.79円と最も高めですが、100kWhまでは定額で最も安いので、毎月の電気使用量が200kWh以下の家庭なら安くなる可能性があります。
計算式は
電気料金 = 2444.44円 + (Xー100)× 26.79円/kWh
EXCEL(エクセル)を使うと一瞬で計算できる
1ヶ月くらいの比較なら手計算で計算しても大丈夫ですが、電気は月によって使用量も大きく変わるので年間で比較するのがベストです。しかし12ヶ月分も計算しようとすると結構大変ですよね。
そんな時はExcel(エクセル)を使えばザーッと一瞬で計算ができるので感動的ですよ。
難しいのはエネオスや東京電力など途中で従量料金が変化する料金プランです。
これはIFS関数を使って下のように入力します。
他の電力会社の場合はさっき紹介した計算式でXを電気使用量のセル番号に変えて入力するだけです。
そして実際に我が家の電気使用量で各社を計算した結果が以下の表です!
ここで注意して欲しいところは、実際の支払い金額と比較するのではなく、今の電力会社のプランで計算したシミュレーション(我が家はENEOSの2ねんとくとくプラン)と他の電力会社で計算したシミュレーションの金額を比較するということです。
我が家では四国電力のパールプランが最も安いようですが数百円の差なので、エネオス電気は200円毎にTポイントが貯まることや3年目以降さらに安くなること、現在在宅時間が長くなっているので昨年よりも使用電力が増えそうなこと考えるとENEOSでんきのままでいいかなぁと思い直しました。
電気料金は面倒くさくても計算して比較しよう
さて今回は電気料金を自分で計算して比較する方法を紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
電気の使用量は家庭によって様々です。一般に夏冬に使用量が増えるとされていても、長期休暇は帰省や旅行でほとんど家にいない場合は電気使用量も当然下がりますので、年間の使用量を勝手にシミュレーションする電気料金シミュレーションでは比較できません。
正しく比較するなら、同じ条件で比べることが大事です。
そしてどのプランが安くなるかは使い方によって様々。面倒くさくても自分で計算することで未然に失敗を防ぎ、本当に自分の家に合った電力会社を見つけられるはずです。